アクセルとブレーキって踏み間違える事故をよく聞くけどそれって構造的欠陥ではなくて?

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 トヨタ車の欠陥騒動は
 結局ドライバーのミス
 じゃないかという昨今。
 
 トヨタの電子制御システムに問題見つからず=米運輸省
 
 日本でもアクセルと
 ブレーキを踏み間違える
 という事故を頻繁に
 耳にしますが、
 どこでもあるんですな。
 世界中で起きている
 のかもしれない。
 
 ならばそもそも
 自動車のインターフェース
 構造自体に問題が
 あるのではないだろうか?

1-1 悪いのは操作ミスをしたドライバーだけなのか

    急に傷つけられたり
    殺されるのは避けたいことだ。
    誰しもがそう思うだろう。
    しかしアクセルとブレーキを
    踏み間違える事故では
    多くの人が犠牲となっている。
    踏み間違えるなんて
    馬鹿のやることだろう、
    普通の人には関係ないだろう?
    そう思う人も
    多いかもしれないし、
    確かに大抵の人は
    踏み間違えることはない。
    それでも罪なき人が
    傷つき殺されていく。
    こうした事故の死傷者や
    その周囲の人々にとっては
    たまったもんじゃない。
    
    いくら自動車運転免許を
    取得しにくくしても、
    更新を厳しくしても
    現在の構造では
    踏み間違える人は
    必ず出てくる。
    こうした事故は
    絶対に起きないように
    しなければならないのだ。
    
    『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』
    という認知科学とデザインの名著では
    「操作ミスは人でなく
     デザインに問題がある」
    と書かれている。
    適切なデザインを用いれば
    そもそも「間違って」など
    起こりようが無くなるというのだ。
    自動車もそれに従うべきで、
    どう考えても混同してはならない
    アクセルとブレーキに関する
    操作ミスが起こりえない
    構造にするべきなのだ。

1-2 なぜこのような構造になっているのか

    そもそも自動車の
    おおまかな構造は
    いつ決まったのか。
    かのT型フォードは既に
    現代のものとほぼ同じ
    構造をしている。
    現在では鍵一つで
    エンジン始動できたりと
    細部は改良されているが
    ハンドルやタイヤの位置などは
    全く変わっていない。
    アクセルやブレーキ、
    クラッチの位置も同様だろう。
    変える必要がない。
    
    そうして広まってしまった
    構造、アーキテクチャ
    変更するというのは
    段々と難しくなっていく。
    いま速度制御を手で、
    方向制御を足で操作という
    自動車が出ても
    誰が買うというのか。
    
    こうしてアクセルと
    ブレーキをすぐ隣に、
    しかも目視しにくい位置に
    並べてしまうという構造が
    現在も適用されている。

1-3 どのようにデザインするのが良いのか

    ではどうデザインすればいいのか?
    と問われても私には答えかねる。
    そんな簡単に解決できる
    問題なら自動車大国日本の
    どこかの企業が既に
    広めているはずだ。
    どこもこの問題については
    認識しているはずだが
    解決は難しいようだ。
    
    以前に聞いた話では例として
    アクセルブレーキを一つの
    ペダルで行う仕組みが
    考えられているそうだ。
    クリープ現象の延長で
    速度は伸び続け、
    ブレーキを踏むことで
    それを抑制し制御するという。
    しかし従来の自動車とは
    操作の変更点が大きく、
    受け入れられにくいだろう
    とのことだった。
    
    このように解決を探る
    動きも無いわけではないが
    あまり大きな問題とは
    考えられていないようである。

1-4 どうすれば解決できるのだろうか

    では我々は
    どうしようもないのか?
    いや、決して
    そんなことはない。
    現在はこうした
    事故が発生しても
    ドライバーのミス
    のみが原因とされ、
    自動車の原因と
    されることはないし、
    こうしたことが
    問題視されることもない。
    この風潮を変えていけば
    道は拓けるだろう。
    
    一般の人々も
    この問題をはっきりと認識して、
    解決を求める潮流を
    産み出していくべきなのだ。
    そうすることで
    自動車企業により懸命に
    問題に取り組むよう圧力を
    かけることができるだろうし、
    現在は法律で指定されている
    自動車の構造に関する規定を変えて
    そうした製品が開発されやすい
    環境にできるはずだ。
    
    特に近年は電子制御技術が
    発達してきており、
    アクセルやブレーキを踏んで
    エンジンに直接物理的に
    干渉すること無しに
    操作できる。
    つまりアクセルなどを
    どこに設置するのかも
    以前に比べて
    自由度は遥かに高いのだ。
    社会が安全になるような
    デザイン、構造を持った
    自動車は開発できるはずである。