ネットバンキング不正送金ウィルスを国民への周知も無しに警戒していたという警視庁、また欧米での甚大的被害を国内へ伝えられなかった大手マスコミ、怠慢なのか能力不足なのか。
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1 はじめに
いやぁ、ネットバンク、便利ですね(挨拶)。
2011年10月18日(火)読売新聞夕刊一面に
「欧米ウイルス日本上陸」なる記事が。
突っ込みどころが多かったので少し書きだしてみましょう。
2 警察の役割とは
報道をよく調べる人にとっては今更ですが
少々ググったりすればネットバンク不正送金のニュースは
以前から何件か報告されていたことが分かります。
今回はウィルスが見つかったので大事になったと。
気になる一文を引用すると
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検出された2種類のウイルスは欧米の英語圏を中心に数十億円の被害を生んでいるため同庁が上陸を警戒していたところ、国内でも今春から被害が出始めた。
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となっているのですが、
「上陸」という表現にややモニョるものはあるけどまぁいいでしょう。
しかし警視庁は一体どんな「警戒」をしていたのだろうか?
インターネット上のトラフィックを監視でもしていたのだろうか?
寡聞ながら私は以前までの報道ではウイルスという語を
見聞きした覚えはない。
ということは警察の発表にもそうした語が含まれていなかった、
ということになるだろう。
国民に注意を促そうとせずに、どう防ごうとしていたのか?
怠慢なのか、能力がないのか……。
3 大手マスコミの存在価値とは
そして「今春から被害が出始めた」。
いや、それなら発表してくれよ、
4月からの被害2億6500万円を少しは減らせたのではなかろうか、
という印象を受けましたが、
これはおそらく記者(いつも通り無記名なのが悔しい)が
アレしただけでしょう。
ウイルスの発見は今回が初めてと繰り返し書かれています。
まぁその辺は割りと本筋ではなく、
問題なのは「欧米で爆発的流行」と書いていることから
その情報を(きっと)(多分)(恐らく)(高確率で)
得られていた(だろう)(はず)にも関わらず
「じゃあ日本もやべえんじゃね?」という発想から
報道していなかった事ではなかろうか。
私が知らぬ場所でなされていたかも知れんが。
被害が拡大して衝撃度が高まるまで放置していたのか、
警察の発表資料をそのまま報道するしか能がないのか……。
4 おわりに
しかし犯人捕まるんですかねこれ。
被害者に金は戻るのだろうか。無理かな。
教訓としては
「コンピュータセキュリティはしっかりやりましょう」
「英語のニュースぐらい自分で読み聞きできるようにしておきましょう」
「該当機関には抗議メールでも送りましょう」
「本当に自分の視点が正しいのか常に問い続けましょう」
という辺りでしょうか。