日本にある資源って何があったっけか
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1 まとめ
鉄や化石燃料といった現代工業でかなり大量に
用いられるものは国内では産出できない。
他の鉱物資源は相当な量があるが現在利用が難しい。
非鉱物資源、特に木と水は昔から大量にあり
日本を支えている。
2 はじめに
政府が海洋調査を大々的に開始するそうで。
日本は資源の乏しい国とはよく言われますが
それは正確ではなく、けっこう資源はあります。
人的資源などで誤魔化すわけではありません。
キチンとした工業資源がたくさんあるのです。
と言っても、人づてに聴いた話が多いので
明確なソースが示せないものもあります。
(意訳:調べたのをまとめたんじゃないから間違ってても許してね)
では、見ていきましょう。
3 番外:昔はすごかった金銀胴
しょっぱなから番外編というのも面白いんじゃないかなっ!
そりゃあ、今は殆ど産出されませんけどね。
かつて日本はこれら3種の金属の輸出国でした。
昔は比較的多く採れていたようです。
3-1 金
黄金の国ジパングなぞといわれるように
昔は本当にたくさんの金が採れましたようです。
ヨーロッパでは金銀の鉱脈が少ないので
アメリカ大陸でゴールドラッシュが始まるまでは
日本から出る金は重要だったのではないでしょうか。
参考までに佐渡の金産出量は佐渡市HP内の佐渡山に関するページによりますと
江戸時代全体での推定産出量は約40トンに上っていたそうです。
Wikipedia(笑)の金の項目によりますと
(アメリカ合衆国内務省「ミネラル・イヤーブック2004」出典だそうです)
2004年の産出量トップの南アフリカ共和国は350トン弱。
まぁ比べるまでもありませんが。
3-2 銀
銀もまた同様で、新大陸発見までは
日本は大きな貴金属産出国だったようです。
ペルーで大量に発掘されるようになったとか。
3-3 銅
更には銅も日本にはありました。
足尾銅山といえば公害で有名ですが、
それだけ大量の銅を採掘・精錬していたということでしょう。
金銀と同じく輸出していたようです。
銅鉱といえばコレも新大陸のチリですが
これは世界中で比較的多く取れていたようで
日本産のものは金銀ほど重要視はされていなかったようです。
歴史的経緯はあまり詳しくないので事実と異なる可能性が。
間違いなどありましたら、よろしければ教授ください。
4 無いのは?
次に説明するのは国内では採れないものです。
本当に乏しいものとして
石炭や鉄、化石燃料、更には
ウランやニッケル等のレアメタルが代表的ですね。
マジでない。
石炭はほとんど掘り尽くしたので輸入していて
世界輸入量の二割超を日本が占めています(もちろんトップ)。
鉄鋼は工業の基本なのですが
日本はわずかに砂鉄があるぐらいで
これも輸入に頼っています。
化石燃料もほぼ輸入に依存。
特に石油は足りなすぎて戦争起こしたぐらい無い。
まぁ最後のは後述のように手に入るんでまた別なんですが。
では次に、あるもの行ってみましょう。
5 木と水
では本番。まずは木と水。
これらはしばしば忘れられますが、とても重要です。
木は火と密接な関係にありますし、構造材としても優れています。
また水も、洗浄や冷却などにに便利なのでよく用いられます。
これらがないと工業の発達は初期の段階で阻害されてしまいます。
これらに関して日本の気候は温暖湿潤であるので大変恵まれています。
山林は豊富、というか列島全体がほぼそれで
なおかつ木はあっという間に生えてきます。
河川もたくさんありますし、枯れたりはしません。
また島国なので、周囲から海水がなくなることはありません。
水なんてタダみたいなもの、というのは
非常に大きなアドバンテージなのです。
6 都市鉱山
最近ニュースにもなりました都市鉱山。
引用をしますと
計算によると、金は、約6,800トンと世界の現有埋蔵量42,000トンの約16%、銀は、60,000トンと22%におよび、他にもインジウム61%、錫11%、タンタル10%と世界埋蔵量の一割を超える金属が多数あることが分かった。また、他の金属でも、国別埋蔵量保有量と比較すると白金などベスト5に入る金属も多数ある。
http://www.nims.go.jp/jpn/news/press/press215.html
とまぁ莫大な量が眠っているようです。
例えば聞いたところによると、廃棄された携帯電話の山には
優良金鉱の10倍の割合で金が含まれているそうです。
他にも日本では現状ほとんど産出できないものが含まれており
うまく再利用できれば非常に有効な資源になりえます。
上手に活用できる態勢が整えば一気に資源輸出国になるかもしれません。
かつて輸出していたほどあった金がまた国内に
戻ってきたと考えると感慨深いものがあります。
しかし、去年の10月頃だったかにニュース番組で見たのですが
日本ではまだ再利用のための費用が高いらしく放置されており
ゴミのまま(なので安く)中国に輸出されているそうです。
場所をとりますからそのまま置いておくわけにもいかないのでしょう。
現在はどうなっているか知りませんが……。
7 リサイクル
都市鉱山もそうですが日本は消費大国なので国内には
ゴミになっている資源が山ほど眠っているのです。
廃棄物も見方を換えれば資源なのです。
国内で採れないレアメタルなんかは昨今の価格高騰にも後押しされ
リサイクルしちゃおうという試みがかなりすすめられています。
リサイクル技術が進むということは
資源が産出できるようになることと同じなのです。
例としてルテニウムを。
ハードディスクの容量増のために表面に付着させるレアメタル。
ハードディスクの需要増と加工が非常に難しいことから
一時はかなりの価格高騰を起こしましたが
フルヤ金属という会社が粉末にリサイクル技術が確立してから
価格はピーク時の半分以下に。
他にも工業排水からレアメタルだけを抽出するなど
貧乏くさい 資源不足を補う技術は
よく研究されています。
ウランも長らく再処理が研究されていますが
計画がかなり遅れています。
しかし日本は原子力関連ではIAEAから
国連安保理常任理事国(≒核保有国)
並みの待遇を受けており
国内の核廃棄物の量も莫大です。
再処理施設が十全に機能するようになれば
国内にはとてつもない規模のウラン鉱脈が存在するのと
同じことになるでしょう。
8 海洋資源
冒頭で持ち出しました政府が調査するという資源。
メタンハイドレードや天然ガス、レアメタル。
海底に埋まっているとされるこれらは置いといて
最後に海水からもレアメタルが採れる、という話をしましょう。
例としてウランで話を進めます。
これはさすがに都市鉱山には埋まっていませんし。
海水には3.3ppb(parts per billion:1ppb = 10億分の1)
という極めて少量の割合でウランが溶けています。
ウランは採取しても現状使える235は
更にその内の0.7%しかないなどありますが割愛。
で、海水からの採取はけっこう昔から研究されているらしい。
さすがに採算がとれないようですが
現状でも採取する技術自体は存在している模様です。
他のレアメタルもごく微量ながら溶けているものがあり
いくらでもそれらを産出できる可能性が秘められています。
日本が海に囲まれているというメリットがここでも活きてくるわけです。
いつ活きてくるのかは、まだ光が見えませんが……。
9 最後に
というわけで資源があるとか言いましたが
現状鉱物資源は満足に採れず
眠っていると状況です。
量があっても使えないなら
ホントにゴミなので無意味ですが
今後に期待といういことでひとつ。
また資源と一口に言っても
それら鉱物資源だけでなく
木や水といったありふれていると
思われているものも含まれています。
それらひっくるめて「資源のない国」
というのはあまり正確ではないということです。
いつも通りグダグダになりましたが
今回はこのぐらいで終わります。