『踊る星降るレネシクル』感想:楽しめた

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1 はじめに

 るるルこと「踊る星降るレネシクル」読了。
 きになっていた作品ですが
 中々おもしろくて良かったですね。
 みなさんにもオススメですよ。
 テンプレ的な展開でまとまって……
 るのかと思いきや、それだけに留まらず。
 ──これからが楽しみな新人であります
 ?と気になった人は取り敢えず書店へどうぞ。

2 全体について

 以下ためらうこと無くネタバレ。
 基本的には敵と味方でダブルヒロイン
 王道展開で良かったですね。
 最序盤はちと疑問符がついたけど、
 文章も読みやすかったし、
 不快な気分にはなることも無く読み終えた。
 パロもしつこすぎなく丁度いい塩梅。
 ラノベゆえに総文字数が少なくならざるを得ない割に
 背景設定が複雑だったりキャラ多かったりして
 いろいろ掘り下げが甘くなってしまったかな。
 そこは勿体無かった。
 2巻は出るらしいのでそちらで期待。

3 ミカホシ的なルールについて

 しかし何故にミカホシランキングに
 高等部生徒のみしか参加出来ないのか。
 恐らく気にしたら負けである。

3-1 目の付けどころがシャープ

    ジャンルが違っても力の優劣を競えて
    ランキングがつけられるというのは
    けっこう面白い発想だと思う。
    道は違えどそれぞれの達人が闘うとどうなるのか
    たしかに興味をそそられるし、
    その人間の質で勝負するんだから
    本気でぶつかりあえば壮絶なものになるはず。
    そういうのは少し考えるだけでも
    ワクワクせずにはいられない。
    ホントいいところに目を付けたんじゃないかな。

3-2 星振り強すぎワロタ

    それだけに、結局は星振りして殴り合うのが最強すぎて、
    通常のランカーとは一線を画してしまったのが残念ではある。
    確かに瑞貴の力の絶対性や終盤のカタルシス解放的には
    必要だったのかもしれないけど、他のやつらの情熱は
    本当にその星振りの舞よりも劣っているのか、
    というのがなんとも読んでてモニョった。
    あと、もっとトリッキーな事もできそうなギミックなのは間違いないんだし
    ただ殴り合いの喧嘩をするだけじゃなくて、
    物書き対ゲーマーみたいな対決も見たかった。
    「相手にツッコませて力とする」とか
    「ひきこもりが強い」とか斬新だったし
    これからはそういった面でも、もっと楽しませてくれることを希望。

4 キャラクターについて

 繰り返すけど全体的に掘り下げが甘く感じた。
 一巻だから仕方ないのかもしれんけど。
 それでも魅力的なキャラ立ちはしてるのはさすがというか。
 掛け合いも愉快だったし、巻が進むごとに
 どんどん楽しさが上がっていく兆候が見えた。

4-1 連動レンヤ

    闘えないのを克服するというのは
    中々の王道具合でよかったですね。
    弟子のために躊躇なく形見燃やしたり
    誰にでも律儀にツッコミ入れたり
    相当なイケメンである。惚れる。
    カカセオではぶられ気味だったけど
    次からはモテまくるんじゃないか。

4-2 舞波すまる

    ほっぺってのはどうなんだろう……
    って初めは思ってたけど読んでる内に
    これもアリかな、と感じ始めた。
    素直じゃない女の子っていうのは
    やはりイイモノですからなあ。
    しかし誰だよツンデレとか言いやがったのは。
    人となりとしては、初めはマジでげんなりするぐらいカスかと思ってたけど
    星柱というか母というかへの執着ぶりは見事。
    カカセオの星振りを成功させるまで、よく成長したものだ。
    ヒロイン力も高まったし表紙を飾るだけのことはある。
    あと彼女にはサラシマスターの称号を与えてもいいと思う。

4-3 沙良瑞貴

    出番少なっ!
    寝っぱなしが響いたか。
    なぜかカグツヒメを召喚できたり
    神秘性はそのぶん感じられたんだけど、
    ヒロインと呼ぶには、ちょっとばかし
    思い出に頼りすぎた気もする。
    所詮はかませヒロインなのか……。
    お尋ね者になってこれからの絡みが難しそうなだけに
    ヒロインポジションを挽回できるのか心配。
    でもカグツヒ派の異常な崇拝力の源である
    カリスマは少ない出番で垣間見えた。
    なんか凄そうなオーラが出てて素敵です。
    出生の謎もあるのでまだまだ面白いことにはなりそう。

4-4 更科もうふ

    ひきこもりを見直しました。
    キャラ的に愉快だから
    ぶっちゃけ何もしてないような
    気がしなくもなくはないようなそうでないようななので。
    もっと活躍の場を与えて欲しかったが……。

4-5 不快の女王

    正体バレバレだったのはご愛嬌だな。
    しかし結局のところ腐海流とは一体なんなんだろう。

4-6 舞波カタナ

    ここまで瑞貴に心酔する理由が
    イマイチ読みきれんんのでにんともかんとも。
    さすがに真剣を持ち歩くのはどうかと思いますね。
    これがミカホシランキング上位の力なのか……!
    ツッコませるっていうのは中々面白いので
    もっとジレンマ抱えてしまうネタを披露して欲しいですね。

4-7 乾闇鳴

    全裸自重。
    万民平等に愛しているはずなのに
    ガチホモにしか見えないという
    明らかに作者狙ってるだろ的な。
    あざとい! なんというあざとさ!

4-8 水仙寺遊園

    なんという便利道具。
    いやぁ、邪気眼って便利ですね!
    ランキング上位というのも頷かざるを得まい。
    しかし関わりあいにはなりたくないw

5 絵

 イラストが序盤に多くて少し驚いた。
 GA文庫の方針なのかな?
 序盤というか主要人物の登場時に入れてるからか。
 後でイメージを損なわずに済むし、
 読んでる側も手探りの序盤に彩りが添えられるのは
 中々いいものだと思った。
 店頭でちょっと読んだだけでも買いたくさせる策略なのかもしれない。
 たかやKi絵もイケてる。色気があっていいね。

6 おわりに

 なんか誉めた数より貶した数の方が多い気もするけど
 読んでて十分に楽しかったですよ?
 やはり感想書くって難しいですね。
 何はともあれ裕時悠示先生とたかやKi先生の
 今後のご活躍に大いに期待してます。