自動車の技術って他の何に使えるのか知らないけどさ

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1 まとめ

 自動車関連企業は
 これまで培ってきた技術を他の分野で生かして
 この不況を生き残ることができるのだろうか?

2 はじめに

 今日、NHKのニュースでやってたのですが
 アメリカでは自動車関連企業が業績の悪化から
 他種業務への転換を検討する傾向が増えているようです。
 とある自動車修理会社が取材されていましたが
 ガラスを切る小型の刃物を製作する技術を
 手術用のメスに応用を検討していたようです。
 時代に見合った産業を選択しなければ未来がありませんからね。
 他分野へのこうした技術転用はよくあることですし
 自動車販売の低迷がこの先も続くようならば
 こうした流れがどんどん加速されていくのかもしれません。

3 例として富士フイルム

 はじめ富士フイルムは写真フィルムなどの
 写真感光材料の製造を行う会社として生まれました。(沿革・歴史 | 富士フイルム
 けれども、デジカメの台頭により
 そのまま写真フィルムに固執していては危なかったわけです。
 もちろん、途中でレンズやカメラ本体(デジカメ含む)の製造も開始していて
 それらでも一定のシェアを持っていたのですから
 現在のビッグスリーのような危機にはならなかったでしょうが。
 しかし、写真フィルム製造で培った技術を
 全く他の分野でも生かし始めたのです。
 薄幕形成や無機有機材料などの技術から
 半導体材料やディスプレイ材料などを製造することも可能になりました。(http://www.fujifilm.co.jp/rd/technology/advanced/index.html
 中でも、2008年の資料によりますと(富士フイルムホールディングス|アニュアルレポート
フラットパネルディスプレイの資料)
 液晶パネルに用いられる偏向板保護フィルムは
 世界で80から100%のシェアを誇っているようです。
 このように、写真フィルムと液晶パネルという
 一見無関係に見える製品分野であっても
 技術転用が有効である場合があるものです。

4 先のことなんかわからん

 こうした技術転用はもちろん他の企業でも行われていますし
 根幹技術を育て上げた製品が今でも主力製品のまま
 その技術が他の分野へも用いられているものも数多くあります。
 しかし、もしかしたら何十年か未来での自動車は
 そうした生き残っているものではなく
 現在での写真フィルムのようなものになっているかも。
 そのとき健在である企業は2009年中に
 自動車事業を縮小廃止して新事業へ乗り出していた
 ──ということがあるかもしれません。

5 おわりに

 大不況直撃の各自動車関連業界で各社が
 この先どのような選択を行っていくのか注目です。